こんにちは🐧枡田咲子です😃
今回は5パートのスプレッド・ボイシングにテンションを入れてみよう!
メロディック・テンションのときはメロディー(リード)がテンションなので、自動的にテンションが入っていることになりますが、内声にもテンションを入れてみよう!
ということで、ハーモニック・テンションをどのように入れていくかを考えてみましょう。
まずはメロディーがテンションのときのテンションの入れ方と注意点についてです。
スプレッド・ボイシングの基本についてはこちらをご覧ください。
メロディーがテンションのとき
ボイシングを考えるときに重要なことは『そのコードの響きを出せるかどうか』が1つのポイントになります。
そのコードの響きをだすために重要な音は、
- 3rd(第3音)・・・メジャーかマイナーかを決める音
- 7th(第7音)・・・長7度(maj7やm(maj7)コード)か短7度(ドミナント7thやm7コード)かを決める音
です。
5パート・スプレッド・ボイシングでメロディーにテンションの場合、使いたい音はおのずと決まってきますね。。。
例:G7
G7でトップ・ノートが9thのとき、まずは以下のようになります。
ルートは低音部譜表(ヘ音記号)の第3線より下におくとスプレッド・ボイシングらしい響きになりやすいです。この場合は1オクターブ上におくとクローズド・ボイシングになってしまいますね。
そして、ハーモニー(内声部)にテンションを入れて、3rdと7thを入れたスプレッド・ボイシングを作ると以下のようになります。
① ハーモニーにテンション13thを入れたボイシング。ルート上に7thと3rdを配置することで、トップ2音がテンションがになります。基本テンションは高いところで鳴る方が綺麗です。また各音の間隔もほどよく一定で安定した響きのボイシングです。
② ハーモニーにテンション13thを入れたボイシング。①と比べると、高いところの音が密集したようなボイシングになります。
③ ハーモニーにテンション#11thを入れたボイシング。①と同様、ルート上に7thと3rdを配置しているので安定した響きにはなりますが、トップ2つの音程が6度と少し開くため個人的には少し音が抜けるような印象がします。
④ ハーモニーにテンション#11thを入れたボイシング。②のように高いところの音が密集したようなボイシングになりますが、③と比べると安定した響きが出そうです。
③のボイシングは、メロディーが中音域で動いているバックグラウンドで使うと綺麗にサウンドしたり・・・結局どのボイシングでも使い方次第で変わります。
そのほか、ハーモニーの13thを♭13thにすることも可能です!
注意点!
ダブル・リード
以下のボイシングについてみていきましょう。
① ハーモニーにテンションが入っていないボイシング。ハーモニーにテンションを入れる必要がない場合のボイシングです。
② ハーモニーにテンション9thを入れたボイシング、というよりオクターブのダブル・リードのボイシングと考えます。リードが2音になるので引き立って聞こえます。
③ こちらも同じくハーモニーにテンション9thを入れたオクターブのダブル・リードのボイシングです。②とは音の配置が異なります。高い音2つが7度と音程が開くのが個人的は少し気になります。(前項③のG7(#11)と同じような印象で、使い方によるかなと思います。)
④ ハーモニーにテンション#11thを入れたボイシングですが、ロー・インターバル・リミットを超えているのでよくないボイシングです。
①~③はとくにボイシング自体に問題はありませんが、 低音2音以外の間隔が10度離れている。(2~7度以内ではない。)
④ ロー・インターバル・リミットを超えている。(全ての音の間隔は作り方通りでも、ロー・インターバル・リミットを超えないで作りましょう。)
①~③はとくにボイシング自体に問題はありませんが、④のようなロー・インターバル・リミットには気をつけてください!
ロー・インターバル・リミットについて詳細は以下の記事をご覧ください。
これは注意!
それでは以下のボイシングはでどうでしょうか?
① ハーモニーにテンション13thを入れたボイシングが、低い音2音がロー・インターバル・リミットです。
② ハーモニーにテンション♭9thを入れたボイシングです。リードがナチュラル9thなので、同時に♭9th(や#9th)を使うと不協和音になります。
③ ハーモニーにテンション♭13thを入れたボイシングです。3rdが入ってなく5thを使っています。♭13thを使ったボイシングで5tを同時に使うと不協和音になります。
④ ハーモニーにテンション#11thと13thを入れたボイシングです。内声にテンションを2音入れるため、3rdが使われていません。しかし使われてる音が、ルートと7th、その上にテンション9th、#11thと13thが配置されることでコード・タイプがドミナント7thと予測できます。
①~③はボイシングに問題がある、もっと綺麗に響くボイシングがあるはずです。
④ とくに問題はないですが、ドミナント7thらしさを強調する場合は3rdを入れる方が安定した響きにはなります。
③のボイシングは6パートなどパートを増やした時にやってしまいそうなボイシングかもです。逆に、④のボイシングは6パートになるとこれに3rdをプラスしてより安定的な響きのボイシングになりますね!
まとめ
今回はドミナント7thコードでの例でしたが、maj7コードやm7コードは使えるテンションが限られてくるのでもう少し作りやすいと思います。
コードがG7 との表記だけでもアレンジでは、テンションを入れることを考えてよいと思います。
ただし、曲のキーやメロディーによって合うテンション、合わないテンションはあるので、響きはよく確認してくださいね。
ハーモニーにテンションを入れるとき特に気を付けることは、
- 9thと♭9th/#9thを同時に使わない
- ♭13thと13thを同時に使わない
- ♭13thと5thを同時に使わない
ことです!
もちろんロー・インターバル・リミットやスプレッド・ボイシングの基本(音と音の間隔)には気をつけましょう!
ちなみに、4パートのスプレッド・ボイシングではハーモニーにテンションは入れづらく、6パートのスプレッド・ボイシングではハーモニーにテンションは入れやすくなります。
最後まで読んでくださりありがとうございました✨