知識を広げる転回系=インバージョン【3和音 No.6】

こんにちは☀️  枡田咲子です🌸

コードの転回とは?

3和音vol.1~5で説明してきたコードは基本形です。

この基本形のコード・ト-ン(コードを構成する音)をどのように並べるかで転回形ができます。

並べ方で響きが変わり、コードネームの書き方も少し変わります。

簡単なボイシング(コード・トーンの並び替え)もご紹介するので、ぜひチェックしてみてください!

説明に出てくる用語については以下の記事を参考にしてください。

転回の方法

転回させるトライアドは、基本のコードとして考えられるメジャー・トライアドかマイナー・トライアドです。

オーグメント・トライド、ディミニッシュ・トライアドやサスペンディッド・コードは、メジャーやマイナー・トライアドの変化形と考えられるため、転回をする必要がありません。

第1転回形

基本形の第3音を最低音にしたものです。

メジャー・トライアドかマイナー・トライアドか、転回させる基本形のコードから、第3音を最低音にして作ります。

 

転回系.001

第2転回形

基本形の第5音を最低音にしたものです。

 

メジャー・トライアドかマイナー・トライアドか、転回させる基本形のコードから、第5音を最低音にして作ります。

 

転回系.002

コード・ネームの書き方

コード・ネームは、

左側に基本形のコード・ネーム、スラッシュを書いて、右側に最低音名を表記します。

読み方は、コード・ネーム オン 最低音名 になります。

つまり、C/E の場合、C on E (シー オン イー)と読みます。

 

基本形がメジャー・トライアド

転回系.003

 

基本形がマイナー・トライアド

転回系.004

マイナコードでも読み方は同じで、Cm/G は Cm オン G (シーマイナー オン ジー)です。

転回系を使わないトライアド

基本のコードとして考えられるメジャー/マイナー・トライアド以外のオーグメント・トライド、ディミニッシュ・トライアドやサスペンディッド・コードは、転回をする必要がありません。

オーギュメント・トライアド

第1転回系や第2転回系を作ることは可能です。

しかしオーギュメント・トライアドの場合は、第1転回系でも第2転回系でもシンプルなコード・ネームで表現することができます。わざわざスラッシュを使った書き方にする必要がありません。

転回系.005

転回した場合異名同音を使うことになりますが、シンプルに書くことができます。

例えば上記のCaug の第1転回系の場合、Caug/E と書かなくてもEaugと書いてあるほうが圧倒的に読みやすいです。

同様、第2転回系もCaug/G#よりA♭aug が断然よみやすいです。(G#aug でも問題ありませんが、G#aug はダブルシャープを使う読みにくいコードに分類されます。)

ディミニッシュ・トライアド

ディミニッシュ・トライアドの転回系については考えることがいくつかあるのですが、、、

どうしてもの場合は転回系は使います。なぜかというと、転回系にしたときオーギュメント・トライアドにように確実にそのコードを表現することができず、メジャーやマイナー・トライアド同様スラッシュを使って書き表すしか方法がないからです。

でもどうして!?転回系を使わないというのか?

それは、読みにくいからです。

例えば基本形がCdim のとき、転回系の C/E♭もCdim/G♭も非常に読みにくく、どんな響きのコードなのかとてもイメージしにくくなります。

それでは、どんなコードを使えばよいのか?

それは、転回したとき最低音にきた音をルートとしたディミニッシュ・コードで、ほぼ同じ響きが再現できます。

 

転回系.006

もっと正確なコードで書き表しした場合は、dim7 コード(4和音)がベストです。

例えば、Cdim/E♭は、E♭dim7(4和音)、Cdim/G♭は、G♭dim7またはF#dim7(4和音)となります。

ディミニュッシュ7thコードの記事は、順番にアップしていきますので少々お待ちください。

スラッシュを使うトライアドは、原則メジャーかマイナー・トライアドです。

サスペンディッド・コード / sus4, sus2

まずsus4コードは転回すると、第1転回系はsus2 コードで書き表すことができます。

例のCsus4 の第1転回系は Fsus2 になります。

第2転回系については、どうしてもの場合はCsus4/Gと書くともできますが読みにくく通常は使いません。コードの基本は3度を積み上げて構成されるため、4度のみで構成されるコードネームはありません。

これは類似の音で構成される 7thコード(4和音)を表記することをお勧めします。

 

転回系.007

*7sus4 コードについては順次ご紹介してきますので、少々お待ちください。

 

sus2 は sus4 の転回系

sus2 は sus4 第2転回系です。つまり、sus2 の転回系はsus4 nの転回系と同じ仕組みになります。

転回系.008

sus4 もsus2 も転回系を考える必要がそもそもないので、”転回” にこだわらず、基本形が作れれば問題ありません。

まとめ

転回系は、3度で構成される基本の メジャー・トライアドとマイナー・トライアドで転回し、使うことができます。

オーギュメント・トライアド、ディミニッシュ・トライアドも3度の積み重ねで構成されますが、基本形そのものが特徴的な響きを持つため転回するには不向きなコードといえます。

sus4 は転回しても sus2 になるので、わざわざ転回させる意味がありません。

転回系のポイントは、コードを構成するルート音以外が最低音をもつことが特徴です。

次にご紹介する7thコードはトライアドより種類が増えますが、コードの知識が広がること間違いなしです!

さいごまで読んでくださり、ありがとうございました✨

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