第41回ジャパンステューデント・ジャズ・フェスティバル2026【レポート】

こんにちは。枡田咲子です。
2026年8月21日から23日の3日間、『第41回ジャパン・ステューデント・ジャズ・フェスティバル 2026』が神戸文化ホールで開催されました。
第41回という歴史を持つステューデント・ジャズ・フェスティバル(SJF)に今年も審査員として参加できたことを、大変光栄に思います。
昨年と同様、私は高校生の部の2日間の審査と、高校生の部1日目の講評を担当させていただきました。
年々演奏のレベルが向上しており、今年も素晴らしい演奏をたくさん聴かせてもらいました。学生の皆さんの練習の努力や音楽に対する想いが感じる2日間でした。
講評:高校の部1日目
今年も高校の部1日目に講評をさせていただきました。
1日目で少し感じたことをお話しさせてもらいました。とくにバンド編成について感じたことが、プレイヤーが少人数のバンドから大人数のバンドなど様々な編成が見受けられたことです。
とくに伝えたかったことは、『バンド全体の音量バランスについて』もっとできることがあるのではないかと思いました。
人数が少なければ、人数の多いバンドと比べて音量が小さいのは当たり前で、またエレクトリックな楽器を取り入れると音量も上げやすくはなります。
しかし音量や音圧は大きければ良いというものではありません。
まずは、良い音と、各楽器の良いバランスでハーモニーがしっかり聴こえてくることが非常に重要です。つまり、音量や音圧に捉われる必要はありません。良い音を出し、楽器をコントロールできるようになれば、自然と音量も音圧も出てくるものです。
また、2日目の講評で大阪音楽大学の藤井先生のお話しにもありました、『小さい音をいかに良く出すか』ということにも繋がってくると思います。
もうプロレベルのような要求をしているようですが、、、本当に、年々上がるレベルには驚かされるばかりです。
また、一人一人がよく練習し、努力している姿が強く印象に残り、刺激的な2日間でした。今年も、素晴らしい演奏を聴かせていただき、本当にありがとうございました!
編成についてのヒント
様々な編成のバンドのために、作編曲家目線で『どのようにするとバランスのよい演奏になりそうか?』について考えてみました。少しでも今後のヒントになれば幸いです。
ビッグ・バンドには様々の編成の楽曲がありますが、スタンダードの編成は、
- サックス5管(A.sax x2, T.sax x2, Bari)
- トランペット4管
- トロンボーン4管
- リズムセクション(ギターやピアノ、ベース、ドラム)
以上の、16~17パートで編成されます。つまりこの編成でアレンジされた楽譜で演奏することが予想されます。
しかし、『プレイヤーが足りない』『パートが足りない』または『プレイヤーが18人以上いる』など、バンドによって事情が異なります。
その場合、楽譜から何らかしらの音やパートを減らしたり、またはパートを重ねたりすることになります。
プレイヤー(部員数)が少ない場合:
アレンジのパートを減らす必要があります。演奏後のインタビューでも工夫したという声があり、本当によく考えて演奏されていました。
作編曲家として言うならば、4声(4パート)あればジャズ・ハーモニー(ジャズ特有の4和音やテンション・コード)の響き十分に出すことができます!また、メロディのユニゾンやソロではギターやピアノのコード楽器がいれば、これも十分にジャズ・サウンドにすることができます!
音の減らし方やパートの変更は理論的で考えることも出来ますが、まずは難しいことは置いておき、重要なメロディやフレーズを最優先して、『どのような音を残すと心地よいか』を部分練習も含めて確認していくと良いと思います。
プレイヤー(部員数)が多い場合:
アレンジのパートを重ねることになります。
これが意外と難しいです。もし私がアレンジするなら、パートを減らすより、増やす方が難しく感じます。なぜなら、音量バランスをとるのが大変だからです。
しかし学生バンドの場合、重ねるメリットとしては、『まだ楽器を始めたばかりで、しっかり音が鳴らせていない』などで、音が細くなってしまうとき、そのパートを重ねる(2~3名などで演奏する)と補強できます。
また『部分的に重ねる』などの方法も有効でしょう。
ただし、音を重ねると音量は上がる傾向にありますので、重要なメロディ、リードやソロなどが埋もれてしまわないように気をつけましょう。全体練習でバランスを取りながら確認してみてください。
さいごに
今年もこのフェスティバルが無事に開催できたことを大変嬉しく思います。また審査員として参加させていただき感謝しております。
毎年のことですが、このフェスティバルは、舞台上だけでなく舞台裏でも、スタッフの方々や顧問の先生方をはじめ多くの方々のお力添えによって支えられています。心より感謝申し上げます。
バークリー音楽大学から准教授のマイク・タッカー氏をはじめ、審査員を務めた先生方、各方面の先生方や関係者の皆様とお話しする機会をいただけたことも、大変嬉しく思います。
これからも、このフェスティバルの歴史とジャズの文化が末長く受け継がれていくことを願うとともに、私自身も何かできることを考え、今後もお役に立てれば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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