第40回ジャパンステューデントジャズフェスティバル2025【レポート】

こんにちは。枡田咲子です。
8月15日から17日にかけて、『第40回ジャパン・ステューデント・ジャズ・フェスティバル 2025』が神戸文化ホールで開催されました。
今年は記念すべき第40回という節目の年であり、2日目(8月16日)には記念式典も行われました。この長い歴史を持つステューデント・ジャズ・フェスティバル(SJF)に参加できたことを、大変光栄に思います。
私は今年も引き続き、高校生の部の審査員を務め、さらに高校生の部1日目の講評を担当させていただきました。
どのバンドも演奏のレベルが一段と向上しており、今年も素晴らしい演奏を数多く聴かせてもらいました。学生の皆さんの努力と情熱に心から拍手を送りたいと思います。
3日間行われたステューデント・ジャズ・フェスティバルの音源をダイジェスト版で聴ける特別放送が決定されました!
「輝く青春の音!ジャズの甲子園」ジャパン・ステューデント・ジャズ・フェスティバル 2025、と題して
- 2025年8月30日(土)14:00〜
15:4515:30(録音番組)・・・時間が変更になりました。 - アナウンサー:芦沢誠
- 朝日放送ラジオ(ABCラジオ)AM1008KHz, FM93.3MHz, radiko
で放送されます。
素晴らしい演奏ばかりです!ぜひお聴きいただければ幸いです。
今年の講評
高校の部1日目の講評では、「アーティキュレーション」について少しお話ししました。
アーティキュレーションには、アクセント、テヌート、スタッカートなどがあり、1音をどのように演奏するかを決めるものです。音の長さや強弱といった細かな違いですが、ジャズにおいてはこのアーティキュレーションがリズム感やダイナミクスを生み出す、とても重要な要素となります。
例えばスタッカートについて。クラシックのように鋭く切りすぎてしまうと、ジャズでは音が軽く聞こえてしまうことが多いです。ジャズでは「しっかり鳴らした短い音」というイメージを持つと良いかもしれません。
もちろんアーティキュレーションの付け方に絶対的な正解はありません。しかしジャズには独特の付け方やニュアンスがあり、さまざまなアーティストの演奏を聴くことで学べることがたくさんあります。そうした研究を積み重ねていくことが、自分たちのバンドのカラーにもつながっていくと思います。
年々、バンド全体のレベルはもちろん、ソリスト一人ひとりの表現力も高まってきており、よく練習し努力している姿が強く印象に残りました。
私自身も多くを学ばせていただいたSJFでした。素晴らしい演奏を聴かせていただき、本当にありがとうございました。
今年のゲストバンド
毎年、学生バンドの演奏の間に素晴らしいゲストバンドの演奏があるのでもこのSJFの魅力の一つです!
『第40回ジャパン・ステューデント・ジャズ・フェスティバル(SJF)』では、
初日は、
- 『甲陽音楽ジャズコース講師バンド featuring 藤吉悠(AS) & 広瀬未来(TP)』・・・同校の卒表生で活躍中のプロミュージシャンで結成されてリユニオンバンドが登場!
- 『広瀬未来 &SJF リユニオンビッグバンド』・・・日本を代表するトランペット・プレイヤー広瀬未来さんを中心に結成たれたビッグ・バンドで、SFJ 出身のプレイヤーでのみで結成。今年はNY在住のトランペッター小倉直也さんがゲスト共演されました!
2日目は、
- 『大阪音楽大学セレクトバンド』・・・全国で活躍中のベース・プレイヤー時安吉宏さんリーダーで、SFJ出演歴のあるメンバーなどで構成されてスペシャルバンドが登場!
- 『モダンダイムスビッグバンド with 小泉陽子(Vo)』・・・グランマスター日下雄介先生を中心に1985年に結成され、今年バンド結成40周年を迎えたビッグバンドです。ボーカルの小泉陽子さんがゲスト共演されました。
3日目は、
- 『甲陽&バークリーバンド + 中路英明(甲陽卒/熱帯Jazz楽団 Tbn)・マーク・ウォーカー(バークリー教授 Dr)』・・・甲陽の一流講師陣に加え、ドラムには今大会の審査員でもあるバークリー音楽大学パーカッション科教授のマーク・ウォーカー氏を迎えたスーパーバンドが登場!!
- 『野々村明&ザ・グローバル・ジャズオーケストラ with 中路英明(Tbn)』・関西のビッグバンドといえばグローバル! 私もだいぶお世話になっている野々村明&ザ・グローバル・ジャズオーケストラ は、今年はトロンボーン奏者の中路英明さんがゲストで登場!
どの日も素晴らしいゲストバンドの演奏を聴くことができ、学生の皆さんにとって、ライブでジャズを聴く良い機会になっていると思います。
さいごに
今年もこのフェスティバルが無事に開催できたことを大変嬉しく思うとともに、審査員として参加させていただけたことを光栄に感じています。
毎年のことですが、このフェスティバルは、舞台上だけでなく舞台裏でも、スタッフの方々や顧問の先生方をはじめ多くの方々のお力添えによって支えられています。心より感謝申し上げます。
そして今年は第40回という記念すべき節目の年でした。バークリー音楽大学からマーク・ウォーカー氏をはじめ、各方面の先生方や関係者の皆様とお話しする機会をいただけたことも、大変嬉しく思います。
なお、今回のSJFの模様は、朝日放送ラジオにて8月30日(土)14:00〜15:45 15:30 に放送予定とのことです。ぜひお聴きいただければ幸いです。
これからも、このフェスティバルの歴史とジャズの文化が末長く受け継がれていくことを願うとともに、私自身も何かできることを考え、力を尽くしていきたいと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。