こんにちは🍀枡田咲子です😃
ビッグ・バンド譜を作るための楽譜について、今回はギターについてみていきましょう!
ギターはト音記号を使った高音部譜表で楽譜を作ります。
ギター譜を作るにあたっての主なポイントはベース同様、
- 移高楽器について
- 音域について
- 音符で記譜するかスラッシュやリズム・スラッシュを使って記譜するか
です。
それでは、ギター譜の作り方をみていきましょう!
スラッシュ記号とリズムスラッシュ記号についてはこちらをご覧ください。
もくじ
移高楽器と音域について
移高楽器について
移高楽器とは、楽譜に書かれた音より実際になっている音はオクターブ高いまたは低い音がな鳴っている楽器のことです。
ギターはこの移高楽器で、楽譜に書かれた音より実際は1オクターブ低い音が鳴ります。
ギター鳴らしたい音から考えた場合、ギター譜を作るときは1オクターブ上げて記譜することになります。
ギター譜はピアノ感覚で譜面を作ると1オクターブ低いメロディーになっていた、なんてことがよくあるので気をつけましょう。
音域について
ギターの音域は広く、通常の楽器は6弦です。
- 記譜・・・ギター譜(作るべき楽譜。必ずト音記号のみで作ります。)
- 実音・・・実際に鳴っている音(音の高さがわかりやすいようにヘ音記号を使っています。)
ギターは幅広く音域を持ちますが、アレンジでは主に中音域を使います。低音域を使う場合は、コードのルート音やベースとユニゾンのときです。
高音域はアドリブ(即興演奏)やギタリストの裁量で使われるかもしれません。そんな楽曲のコピー譜では記譜されますが、アレンジ上で滅多に使うことはありません。
ギターはアコースティック・ギターやエレクトリック・ギターにエフェクターを使ったり音色がとても豊富な楽器です。
細かい設定まで想定することもできますが、ここではどんなギタリストでも演奏可能な6弦ギターでやエフェクター指定なしの前提で説明を進めていきます。
ギター譜の書き方
ここからのギター譜は全て 実音(Concert)から1オクターブ上げた楽譜です。
基本の書き方1:伴奏するとき
【例1】Mediumu(速度)Swing(ジャンル)【例2】Bossa Nova(ジャンル)♩=120(速度)
キー(調)によっては調号もお忘れなく。
ジャンルと速さがわかれば、大体どのように演奏すれば良いのギタリストには伝わります!
特定のリズムやボイシングがあるとき
特定のリズムはリズム・スラッシュで、ボイシングを演奏してほしい場合は音符で記譜します。
【例1】音符だけで記譜(オススメ度: ★☆☆)
ギタリストは音符(とくにコード)譜読みに時間がかかることが多いです。運指を決めるのに時間がかかって初見ではとても難しいことが多いためです。たいていの場合、ギタリストはコード・ネームを見て演奏するケースが多く音符を読むことが少ないので、音符だけの記譜はあまりお勧めではありません。
音符の上にコード・ネームは必ず表記しましょう!(*どうしてもこのボイシングでないと!というときは、音符のみで記譜することもあります。)
【例2】リズム・スラッシュで記譜(オススメ度: ★★★)
リズム・スラッシュでは、ギタリスが弾きやすいボイシングでコード弾きします。譜読みが楽になります。
【例3】トップ・ノートとコード・ネームを記譜(オススメ度: ★★★)
【例2】のリズム・スラッシュだけだと、イメージと違うということがあるかもしれません。
その場合、トップ・ノートとコード・ネームを記譜して、ボイシングはギタリストにお任せします。ギタリストが弾きやすく、コードの響きもほぼ問題なくなります。
(Top Note of Voicing)と表記すると何を演奏すればよいのか明確になります。私は昔はよく書いてましたが、最近では楽譜が混雑して見えるかな?と思っ表記しなくなりました。リハーサルのときに一言お伝えすれば問題ないです。
音符の棒を長くして、コードがつけてね〜みたいな書き方もあります。
全音符は棒がないのでそ音符だけになりますが、どういう意味かはわかりやすくなります!
基本の書き方2:メロディーを演奏するとき
メロディーを演奏する場合は、メロディーを記譜します。ビッグ・バンドの場合、メロディーを演奏してほしい場合、コード・ネームを表記する必要はありません。
コード・ネームを表記するとコード弾きしてしまう場合もあるので、メロディー弾きが明確になります。
どちらでも良い場合やリハーサルで決めるといった場合はコード・ネームを表記しておきます。
【例:コード・ネームを書いたギター譜】
ギター譜の例
私が実際に作ったビッグ・バンドのギター譜です。(あくまで私自身の現状の書き方です。実際はアレンジャーによって特有の書き方があったりするので、その辺りご了承くださいね。)
今回のサンプル譜面は私のオリジナル『Ko Ko Ro』からです。
- 1〜12小節目:ピアノ・ルバートのイントロでギターはお休み。
- 13〜42小節(参考音源:0:32〜):13小節目からはテンポが一定になるので、テンポを表示。Even1/8's は普通の8分音符という意味です。(普通とは跳ねませんよっていうことです。)
- 43小節〜:このコードでこのリズムで演奏してください〜という感じです。
- 91小節〜(参考音源:1:53〜):こんなパターンで演奏してください〜という感じです。(雰囲気だけわかってもらえれば良いので、あとはスラッシュでお任せします。)
*simile は同じようにという意味です。パターン場合の書き方は、ベース譜を書いてみよう【ビッグバンド譜をかくためにNo.3】を参考にしてください。
- 195小節〜(参考音源:4:03〜):コード・ネームも表記してますが、この和音を弾いてほしいの音符で表記。さいご2小節は、トップ・ノートはこれでお願いしたい!ということで、コード・ネームを表記。
まとめ
ギター譜は、スラッシュをメインに他のパート(楽器)と合わせたいリズムがあればリズム・スラッシュで記譜します。
メロディーは音符で記譜します。確実にメロディーだけ弾いてもらいたい場合は、コード・ネームの表記は必要ありませんが、メロディーにコードをつけてもらいたいときや、メロディーでもコードでもどちらでも良いときはコード・ネームを表記しておくと良いでしょう。
特定のボイシングがあるときは、トップ・ノートとコード・ネームを表記することがおすすめです。
また特定のリズム・パターン(フレーズ)があるときは、そのパターン(1〜2小節)を音符で記譜して、あとはスラッシュ(simile)と表記するのがおすすめです。
16ビート系(ファンクやフュージョン)の場合は様々なリズム・パターンが想定できるので、とりあえずスラッシュでコード・ネームを表記して、デモ音源やサンプル曲(違う曲でも)を聞いてもらって演奏の雰囲気をお伝えするのも良いと思います。
ギターは様々な演奏ができる楽器なので、楽譜に書き込みすぎると読みづらい楽譜になってしまうことがあります。
細かい指定などはリハーサルで打ち合わせができるので、事細かく楽譜に表記しなくても大丈夫です!
もしギター・ソロやちょっとしたフレーズをフィル・インやしてほしいところがあればドラム譜やベース譜と同様で、その箇所に(Fill)や(solo)を記載すればOKです。
さいごに、音符を書くときは移高楽器であることを忘れずに!
最後まで読んでくださいありがとうございました✨