バリトン・サックス譜を書いてみよう【ビッグバンド譜を書くために No.10】

こんにちは🍀枡田咲子です😃

ビッグ・バンド譜を作るための楽譜について、今回はバリトン・サックスについてみていきましょう!

バリトン・サックスは木管楽器移調楽器です。

バリトン・サックス譜はト音記号を使った高音部譜表で作りますが、コンサート譜(コンサート・スコア)ではヘ音記号を使った低音部譜表で作ります。

バリトン・サックス譜を作るにあたっての主なポイントは、

  • 移調の方法
  • 音域
  • 音符で記譜するかスラッシュを使って記譜するか

です。

それでは、バリトン・サックス譜の作り方をみていきましょう!

移調楽器についてはこちらをご覧ください。

移調と音域について

移調について

ジャズやポップスで演奏されているバリトン・サックスはE♭管です。

E♭管のバリトン・サックス譜に書かれてある音は、実際に鳴っている音と異なります。

バリトン・サックス(E♭管)は、楽譜に書かれた音より長13度(1オクターブと長6度)低い音が鳴っています。

バリトン・サックスの C の音が、コンサート(実音)でE♭の音になるため E♭管といいます。

アレンジする場合は実音(コンサート)で考えることが多いので、実音から長13度上(1オクターブと長6度上)に移調してバリトン・サックス譜を作ります。

長13度上(1オクターブと長6度上)に移調するため、コンサート譜での調が Cメジャーだったら、バリトン・サックス譜の調は長6度上げた Aメジャーになります。コンサートとアルト・サックスで調号が異なりますが問題はありません。

コンサート譜とトランスポーズド譜(バリトン・サックス譜)で音部記号が異なるので気をつけてください。バリトン・サックスの移調はコンサートから長13度上(1オクターブと長6度上)ですが、調号を考える時は長6度上で OKです!

コンサートがト音記号のとき

バリトン・サックスは低い音をたくさん持つ楽器です!

なのでト音記号の楽譜からバリトン・サックス譜をつくるとき、音域から外れる場合があるので気をつけましょう。(音域については下記をご参考ください。)

音域について

バリトン・サックスの音域についてです。

  • 記譜・・・バリトン・サックス譜(高音部記号(ト音記号)のみで作ります。)
  • 実音・・・実際に鳴っている音(コンサート・スコアでは低音部記号(ヘ音記号)で記譜します。)

バリトン・サックスは低音〜中音域を持つ楽器です。

青で囲った実用的な音域はバリトン・サックスらしい響きが出ます。

赤で囲ったところアレンジで推奨音域は、個人的にこの辺りまではアレンジ上問題ないかな?と思った音域です。

高音域は音がないわけではありませんが、特別な奏法でしか出ません。アドリブなどプレイヤーの判断で使うとかっこいい音域ですが、アレンジで使うには不向きです。

低音が魅力のバリトン・サックで、低音域ではベースと同じフレーズやコードのルートを、中音域てはコードのハーモニーとして使われます。

最低音の実音(コンサート)で C、記譜で A は音が出ない(キーを持たない)楽器があるので気をつけてください。アンティーク楽器だと音を持たないものがあるようで、最近の楽器ではこの最低音は出るのでアレンジでは使って問題ないです。

バリトン・サックス譜の書き方

ここでのバリトン・サックス譜は、ビッグ・バンドなどのアレンジ譜での書き方です。スモール・バンドやコンボなどで使うリード・シートとは異なるのでお気をつけください。

音符を記譜

バリトン・サックスは主にベース・フレーズやバック・グラウンドでアレンジした音を演奏します。

バリトン・サックス譜は、コンサート譜から長13度上(1オクターブと長6度上)に移調した調で音符を記譜します。曲の始めにはジャンルやテンポを表記します。コード・ネームを表記する必要はありません。

実は!コンサート・スコアとバリトン・サックス譜は音部記号や調号は異なりますが、音符は同じ位置にくるのが特徴なんです!!といっても、最近では楽譜制作アプリを使っている人が多いのでこの情報はお役に立つのかどうなのか。。。間違いチェックには是非!

スラッシュ記号を使うとき

バリトン・サックス・ソロ(アドリブ)をする箇所はスラッシュ記号を使って記譜します。

このとき、スラッシュ記号の上には必ずコード・ネームを表記します。

コンサート譜からバリトン・サックス譜を作るとき、コード・ネームは長6度上に移調します。

まとめ

E♭管バリトン・サックスは移調楽器です。

バリトン・サックス譜は、音符を記譜してコンサートから長13度上(1オクターブと長6度上)に移調した楽譜を作ります。

コンサートでは音が弾くため低音部譜表(ヘ音記号)で記譜し、バリントン・サックス譜では高音部譜表(ト音記号)で記譜します。

音符を演奏するとき、コード・ネームの表記は不要です。(ビッグ・バンドなどのアレンジ譜の場合)

ソロ(アドリブ)箇所はスラッシュ記号を用い、コード・ネームを表記します。

コード・ネームはコンサートから長6度上(または短3度下)に移調します。

あとは強弱記号やアーティキレーションを表記します。今回はアルト・サックス譜の書き方でした!

最後まで読んでくださいありがとうございました✨

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