こんにちは🍀枡田咲子です😃
マイナー・キーのダイアトニック・コードにおける各コード・スケールについてです。
今回はハーモニック・マイナー・スケールからできるダイアトニック・コードで使うスケールを考えていきましょう!
考え方はメジャー・スケールやナチュラル・マイナー・スケールと同様です。
ハーモニック・マイナーではちょっと変わったスケールがでてくるので、【No.1】ではまず、ダイアトニック・コードの Im(maj7)〜IVm7のコードスケールをみていきましょう。
ハーモニック・マイナーからできるダイアトニック・コードについてはこちらをご覧ください。
もくじ
ハーモニック・マイナーのダイアトニック・コード・スケール【NO.1】
ダイアトニック・コードのコード・スケールは、ダイアトニック・スケールの音のみを使います。
例ではCハーモニック・マイナー・スケールとそのダイアトニック・コードでみていきます。Cハーモニック・マイナー・スケールからできるダイアトニック・コードは以上で、それぞれのダイアトニック・コードで使うコード・スケールは以下のようになります。
Im(maj7)のコード・スケール(Harmonic minor Scale)
Cm(maj7)/Im(maj7) のコードスケールは、C Harmonic minor Scale (ハーモニック・マイナー・スケール)です。
このように、そのほかのダイアトニック・コードでも使うコードスケールの音はハーモニック・マイナー・スケールと同じ音を使ったスケールになります
※メジャー系のスケールは赤枠、マイナー系のスケールは青枠にしています。
IIm7(♭5)のコード・スケール
- IIm7(♭5)・・・Dm7(♭5)のコードスケールは、D Locrian natural 13 Scale(ロクリアン・ナチュラル 13・スケール)
ロクリアン・スケールの第6音(♭13)が半音上がって、ロクリアン・ナチュラル13 というスケールになります。
テンションンの扱いは、どのコードでも13thはルートから長13度(1オクターブと長6度)上の音になります。
ナチュラル・マイナーでできるIIm7(♭5)とコードは同じですが、ハーモニック・マイナーからできたダイアトニック・コードであればスケールは変わります。
マイナー・キーのコード進行で出てくるIIm7(♭5)はナチュラル・マイナーのダイアトニック・コード(つまり使うスケールはDロクリアン)と考えることが多く、ハーモニック・マイナーのIIm7(♭5)とすることはあまりないです。
♭IIImaj7(#5)のコード・スケール
- ♭IIImaj7(#5)・・・E♭maj7(#5)のコードスケールは、E♭ Ionian #5(アイオニアン#5・スケール)
アイオニアン・スケールの第5音が半音上がって、アイオニアン#5 というスケールになります。
IVm7のコード・スケール
- IVm7・・・Fm7のコードスケールは、F Dorian #11 Scale (ドリアン#11・スケール)
ドリアン・スケールの第4音(11th)が半音上がって、ドリアン#11 というスケールになります。
どのコードでも11thはルートから完全11度(1オクターブと完全4度)上の音になります。
ハーモニック・マイナーからできたダイアトニック・コードであればスケールはナチュラル・マイナーのときと変わりますが、これもマイナー・キーのコード進行ではナチュラル・マイナーからできたIVm7(使うコード・スケールはドリアン・スケール)と考えることが多いです。
コード・スケールのアボイド・ノート【No.1】
アボイド・ノートは『避けるべき音』で不協和音を作る音です。(詳細はこちらをご覧ください→それって不協和音?コード・タイプと音程について)
スケール内にアボイド・ノートと表記していますが、実際はコード(ボイシング)で使うと不協和音になります。メロディーやアドリブなど経過音としては使えます。
以下のスケールの表記で、S2などのSはスケールの略で、 S2はスケール上の2番目、S4はスケール上の4番目という意味で表記しています。
ちなみに、メジャー・スケールの音を基準に1、2、3、4、5、6、7と数字をつけています。メジャー・スケール音より半音低い音には♭をつけて表記しています。(念の為、7だけmaj7(長7度)を意味するM7と表記しています。)
Im(maj7):ハーモニック・マイナー(Harmonic minor)のアボイド・ノート
ハーモニック・マイナー・スケールのアボイド・ノートは♭6th(第6音)です。
♭6th(第6音)は、スケールの音を3度ずつ積んでコードにするとコード・トーン5th(第5音)と短9度(不協)の音程をつくるのでアボイド・ノートになります。
11thはアボイド・ノートじゃないけど要注意!というのも、M7とトライトーンになるので使い方やボイシング次第になるので気をつけましょう。(m3とトライトーンではないので、アボイドではありません。)
IIm7(♭5): ロクリアン・ナチュラル13(Locrian Natural 13)のアボイド・ノート
ロクリアン・ナチュラル13・スケールのアボイド・ノートは♭2nd(第2音)と 6th(第6音)です。
♭2nd(第2音)は、スケールの音を3度ずつ積んでコードにするとルート(根音)と短9度(不協)の音程をつくるのでアボイド・ノートになります。
6th(第6音)は、スケールの音を3度ずつ積んでコードにすると、♭3rd(第3音)とトライトーン(増4/減5)になるためアボイド・ノートになります。
♭IIImaj7:アイオニアン #5(Ionian #5)のアボイド・ノート
アイオニアン#5・スケールのアボイド・ノートは4th(第4音)と6th(第6音)です。
4th(第4音)は、スケールの音を3度ずつ積んでコードにするとコード・トーン3rd(第3音)と短9度(不協)の音程をつくるのでアボイド・ノートになります。
6th(第6音)は、スケールの音を3度ずつ積んでコードにするとコード・トーン#5(第5音)と短9度(不協)の音程をつくるのでアボイド・ノートになります。
IVm7:ドリアン #11(Dorian #11)のアボイド・ノート
ドリアン#11・スケールのアボイド・ノートは6th(第6音)です。
6th(第6音)は、スケールの音を3度ずつ積んでコードにすると、♭3rd(第3音)とトライトーン(増4/減5))になるためアボイド・ノートになります。
#11th は、スケールの音を3度ずつ積んでコードにしても、♭3rd(第3音)短9度の音程にはならないためアボイド・ノートではありません。また♭3rdとトライトーン(増4/減5)でもないため使えるテンションです。
なんですが、、、#11thは♭5thと同じ音なので、ボイシング次第ではm7(♭5)に聞こえてしまうかもしれないので注意が必要です。5th と#11thのインターバルは長9度とどちらかといえば不協の響きになります。使うシーンやジャンルにもよりますが個人的にはこの#11thはアボイド・ノートの扱いでもよいかなと思っています。
まとめ
今回はハーモニック・マイナーから作るダイアトニックのコード・スケール Im(maj7)〜IVm7まででした。
まとめると、
- Im(maj7) のコード・スケールはハーモニック・マイナー・スケールで、アボイド・ノートは第6音
- IIm7(♭5)のコードスケールはロクリアン・ナチュラル 13・スケールで、アボイド・ノートは第2音と第6音
- ♭IIImaj7(#5) のコードスケールはアイオニアン #5・スケールで、アボイド・ノートは第4音と第6音
- IVm7のコードスケールはドリアン #11・スケールで、アボイド・ノートは第6音 (と第4音)
です。
次回は、ハーモニック・マイナー・スケール【No.2】残りのV7、♭VImaj7、VIIdim7のコードのコード・スケールとそのアボイド・ノートをみていきましょう!
最後まで読んでくださりありがとうございました✨