ファンクションを使ったリハーモナイズ(メジャー・キー)

ファンクションを使ったリハーモナイズ(メジャー・キー)

こんにちは、枡田咲子です。

前回の記事では、「リハーモナイズとは何か?」という基本的な考え方を紹介しました。

今回からは、リハーモナイゼーション・テクニックとして、実際にどのような方法でリハモしていくのかをみていきましょう!

まず取り上げるのは、どんなジャンルでも応用しやすい、ダイアトニック・コードを使ったリハモの方法です。

難しい理論を使わなくても、同じメロディにほんの少しコードを置き換えるだけで、曲の印象を変えることができます。

今回は、メジャー・キーのダイアトニック・コードで、ファンクションを活かしたリハモのテクニックを紹介します。

このテクニックを使うには、まずダイアトニック・コードのファンクションについて理解しておくことが大切です。

詳しくは、こちらの記事をご覧ください。

ファンクションでのリハモの方法

まずは、ダイアトニック・コードのファンクション(機能)を使ってコードを置き換えてみましょう。

ポイントは、同じファンクションを持つコード同士を入れ替えることです。

  • トニック (T):I, IIIm, VIm / Imaj7, IIIm7, VIm7
  • ドミナント(D):V, VIIdim / V7, VIIm7(♭5)
  • サブドミナント (SD):IV, IIm / IVmja7, IIm7

たとえば、Cmaj7(Imaj7)の代わりに Em7(IIIm7) や Am7(VIm7) を使うと、メロディを変えずにマイナー寄りの響きを加えたり、コード進行に自然な変化をつけることができます。

同じファンクションのコードは構成音が似ているため、コードを入れ替えてもメロディに合うことが多いです。

ただし注意点として、コードを置き換えたときにメロディと不協を起こさないことが重要です。

置き換えたコードの構成音とメロディ音を必ずチェックしましょう。

実例:ダイアトニック・コードでのリハモ

それでは例をみていきましょう。

【オリジナル】Cメジャー

V7sus4 のファンクションは、基本サブドミナントとして考えますが、Imaj7にドミナント・レゾリューション(解決)する時はドミナントの機能のとして扱います。

これを、同じファンクションを持つコードに置き換えた例がこちらです。

このようにファンクションで置き換えても、コードのアボイド・ノート(避けるべき音)が拍の頭にくると不協に感じることがあります。

その場合は、V7sus4 をサブドミナントとして扱い、より聴きやすいコード置き換えた例が以下です。

【Tip】今回はサンプルとして、ほとんどのコードを置き換えましたが、1つのコードだけでもリハモの効果を感じることができます。まずは1ヶ所から試してみましょう!

参考曲

今回の参考例として使用した曲は、私のオリジナル曲「Remember」です。

コード進行の工夫やリハーモナイズの発想が詰まっているので、ぜひ音源も聴いてみてください。

まとめ

今回は、ファンクション(機能)をもとにしたダイアトニック・コードのリハーモナイズを紹介しました。

同じファンクションを持つコードは構成音が似ているため、自然な響きでコードを置き換えることができます。

参考例では4和音(セブンスコード)を使いましたが、トライアド(3和音)でも応用できるテクニックです。ジャンルを問わず使える汎用的なリハモの方法といえます。

ただし、リハモしたからといって必ずしも良い進行になるとは限りません。

まずは「トニック → もうひとつのトニック系コード」など、1か所だけ置き換える練習から始めてみましょう。

次回は、ダイアトニック・コード(メジャー)の中でのより実践的なリハーモナイズを掘り下げます。もう一歩深いリハモの内容なのでお楽しみに!

最後まで読んでくださりありがとうございました。

この記事が気に入ったら
フォローしよう
最新情報をお届けします
あなたへのおすすめ