第14回国際ジャズオーケストラフェスティバル 〜ステラジャム〜【レポート】

こんにちは🎺枡田咲子です😃

早くもこんな季節になりました🍃今年は9月6日〜7日に『第14回国際ジャズ オーケストラ フェスティバル 〜ステラジャム〜』が河口湖ステラシアターで開催され、昨年に引き続き審査員として参加させていただきました。

大学生バンドから小中高生バンドまで、総勢35バンドが出場し、2日間にわたって熱気あふれる素晴らしい演奏が繰り広げられました!

このイベントのテーマは "Get Better"、みんなで上達しよう!というもので、教育を重視した大会です。

審査の特徴は、演奏中に良かった点やアドバイスを録音し、リアルタイムでコメントを行う点です。また、このリアルタイムコメントは全世界に公開されるとてもオープンな国際大会となっています。

審査員は、トランペット、トロンボーン、サックス、ベース、ドラム、ピアノの6名で構成され、審査の際には各審査員の得点の最高点と最低点がカットされ、公平な審査が行われる仕組みになっています。審査員の嗜好が反映されるのは避けられないことですが、それを考慮した公正な評価がなされるよう工夫されています。

今年は、どのバンドも昨年と比べて大きくレベルアップしているのが非常に印象的でした。

大会の総合プロデューサーである黒坂洋介氏が述べた第14回ステラジャムの講評は、非常に共感できる内容ですので、ぜひご一読いただければと思います。

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今年の課題曲!

ステラジャムでの課題曲は毎年新たに用意されるため、各バンドがいわば新曲に挑戦することになります。この課題曲はバンドごとの個性が発揮できる自由な曲とも言えますが、プロが演奏したリアルなデモ音源がないため、楽譜からどれだけ曲を読み取って仕上げるかが大きなポイントとなります。

今年の課題曲は、ニック・レーン氏作曲の『DOWN FOR THE COUNT』でした。

この曲は、ミディアム・テンポのスウィングからファンキーな16ビートへとリズムが切り替わるとてもカッコいい楽曲でした!

しかし、そのノリの良さからか、今年はテンポが速くなってしまうバンドが続出しました。課題曲においては、音楽の基本である「テンポをキープする」ことを目標の一つとして掲げいるため、テンポが速くなりすぎると減点対象となります。

「ゲット・ベター」がこの大会の第一の目的であり、点数を競うことが目的ではありませんが、他のバンドの演奏を聴いて「もっと上手くなりたい」「こんな演奏方法もあるんだ」とお互いに影響し合ってもらえると嬉しいです。

コンダクター(指揮者)

ステラジャムの特徴のひとつは、課題曲にコンダクター(指揮者)を立てることです。

具体的にどうすればいいのか?という疑問があるかもしれませんので、まず考えてほしいポイントを3つ挙げてみます。

  • カウントはコンダクターが行います。
    (ただし、例えばピアノソロのイントロがルバート(テンポフリー)で進行するような曲の場合は、カウントを行わない例外もあります。)
  • ソロが終わった後に拍手などするべきか?
    時と場合にもよりますが、今回の課題曲の場合は、ソロ後にすぐホーンセクションのバックグラウンドが入ってくるため、コンダクターはバックグラウンドへの指示をしっかりと行う必要があると思います。
  • コンダクターは踊るのか!?
    テンポキープを含め、バンドをしっかりと導くのがコンダクターの役割です。

コンダクターはバンドをリードし、テンポを保ちながら全体をまとめる重要な役割を担います。ビッグ・バンドでは、バンドのリーダーが指示を出し、コンダクターを必ず立てるわけではありませんが、音楽教育の観点からコンダクターを立てることは音楽への理解を深める素晴らしい方法だと感じています。

色とりどりの自由曲!!

自由曲には特に決まりがなく、各バンドが自由に選曲して演奏します。

今年の自由曲は、非常にバリエーション豊かで、各バンドの個性が際立っていたのが印象的でした。トラディショナル・ジャズからコンテンポラリー・ジャズ、ラテン、ロックやポップスのアレンジまで、多様なジャンルの楽曲が演奏され、バンドごとのカラーが十分に表現されていました。

特に、難易度の高いアレンジに挑戦しているバンドも多く見受けられ、どのバンドも確実にレベルアップしていることが伺えました。また、各バンドの練習と努力の成果が感じられる、非常に充実したパフォーマンスが続きとても感銘を受けました。このような質の高い演奏を聴くことができ、インスピレーションを受けた素晴らしい2日間でした。

MC

ステラジャムでは、演奏を一つのショーとして考え、観客にどのように魅せるかを重視しながらステージを組み立てることが求められます。そのため、MC(司会進行)も審査の対象となっています。

今回の黒坂氏の講評にもあったように、MCの役割を今後もう少し考えてみてはどうでしょうか?

MCは音楽とは異なる分野ですが、どのような曲を演奏するのか、自分たちの演奏の意図やストーリーを観客に伝えることは重要なことで、これによって観客は演奏や曲について知ることができ、より音楽を楽しむことができると思います。

MCは、音楽に限らず様々なシーンで役立つスキルで、プレゼンテーション能力やコミュニケーションスキルを磨く良い機会でもあると思います。演奏以外の部分にも意識を向けることで、より効果的な自己表現や応用力が身につくでしょう。

結果!!!

団体賞

結果発表はこちらをご覧ください↓↓↓

団体賞には以下のような賞が設けられています。

👑 ステラジャム・チャンピオン(総合優勝)

👑 ゲットベター・チャンピオン(課題曲優勝)

👑 ユニークセレクション・チャンピオン(自由曲優勝)

👑 ステラジャム ノミニー7(ベスト7)

👑 スプラウト賞(Music Selection, Entertainment, Sound, Ensemble, Rhythm, Groove, Solo) 

個人賞

結果発表はこちらをご覧ください↓↓↓

個人賞には以下のような様々な賞があります。

👑Most Impressive (Trumpet, Trombone, Woodwind, Bass, Keyboard, Drummer, Miscellaneous Player)賞

👑ベストソロイスト賞

👑ベストMC賞

👑ベストコンダクター賞

👑ベストセクション賞

👑CJC(カリフォルニアジャズ大学)賞

ステラシアターで毎回感じるのは、生音が非常に美しく響き、生演奏が一層映える素敵なホールだということです。その音にいつも癒されています。

そして何より、バンドの皆さんが「Get Better」しているのを強く実感した第14回ステラジャムでした。上達し、より良い音楽を目指す姿勢は、私自身にも通じるものであり、この大会を通じて多くのことを学ばせていただいています。

まだ至らないこともあると思いますが、ジャズ音楽教育に携われて光栄です。

最後まで読んでくださりありがとうございました✨

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