こんにちは🍀枡田咲子です😃
ビッグ・バンド譜を作るための楽譜について、今回はピアノについてみていきましょう!
ピアノはト音記号とヘ音記号を使った大譜表で楽譜を作ります。
ピアノは音域が広く、ベースやギターなどの移高楽器ではないので楽譜は作りやすいかなと思います。
ピアノ譜を作るにあたっての主なポイントは、
- 音符で記譜するかスラッシュやリズム・スラッシュを使って記譜するか
です。
それでは、ピアノ譜の作り方をみていきましょう!
スラッシュ記号とリズムスラッシュ記号についてはこちらをご覧ください。
音域について
ピアノは88鍵あり、とても音域の広い楽器です。
記譜した音が実音となります。
音域は幅広いです!!
中音域から高音域ではメロディーやコード、アドリブ(即興演奏)で使うことが多く、低音域ではコードのルート音やベースとユニゾンなどのアレンジで使います。
低音域でのコード弾きはあまり行いません。
そのほか鍵盤楽器では、エレクトリックピアノやシンセサイザーなどあり鍵盤数がピアノと異なることがあります。
とくにシンセサイザーには色々なタイプがあり音色も様々、上げ出すと無限になってしまうので、、、
ここでは88鍵のアコースティック・ピアノを前提に説明を進めていきます。
ピアノ譜の書き方
ピアノ譜の基本は大譜表で作ります。
ビッグ・バンドの場合、ページ数が多くなることを理由に1段(高音部譜表)で作る場合もあります。
基本の書き方1:伴奏するとき
スラッシュ記号やリズム・スラッシュ記号を使います。上下段ともに同じ記号を表記します。
【例1】Mediumu(速度)Swing(ジャンル)
【例2】Bossa Nova(ジャンル)♩=120(速度)
ジャンルと速さがわかれば、大体どのように演奏すれば良いのピアニストに伝わります!
特定のリズムやボイシングがあるとき
特定のリズムはリズム・スラッシュで、ボイシングを演奏してほしい場合は音符で記譜します。
【例1】音符だけで記譜(オススメ度: ★☆☆)
ピアニストは譜読みを得意とする方が多く、譜読みに時間がかかることが少ないです。とくにジャズを始めたばかりの方にはコード譜を読む方時間がかかってしまうケースもあったりします。全て音符で書いてあっても問題ありませんが、音符で記譜する場合は、できるだけシンプルなコードでコード・ネームを必ず表記しておきましょう。
このボイシングでこのリズムで演奏してもらいたい!というときは音符表記します。
【例2】リズム・スラッシュで記譜(オススメ度: ★★★)
ピアニストが弾きやすいボイシングでコード弾きします。楽譜がスッキリ見えます!
【例3】トップ・ノートとコード・ネームを記譜(オススメ度: ★★★)
【例2】のリズム・スラッシュだけだと『イメージと違った』ということがあるかもしれません。
その場合、トップ・ノートとコード・ネームを記譜して、ボイシングはピアニストにお任せします。ピアニストが弾きやすく、コードの響きもほぼ問題なくなります。
(Top Note of Voicing)と表記すると何を演奏すればよいのか明確になりますが、ピアノの場合単音弾きはあまりしないので、コード・ネームがあれば(Top Note of Voicing)は表記する必要はありません。
下段にはリズム・スラッシュを入れておきます。
右手(上段)はこのリズムだけど、左手(下段)は何か違うリズムで!という意味になります。
通常、このような書き方はあまりオススメではありません。。。
上下段は同じ記号を入れる方が読みやすい、つまりアレンジを理解してもらいやすいです。
もし、右手(上段)はこのリズムだけど、左手(下段)は何か違うリズムで!という場合は、上下段ともスラッシュを入れてリハーサル時にピアニストに伝えるのがベターです!
基本の書き方2:メロディーを演奏するとき
メロディーを演奏する場合は、メロディーを記譜します。
ピアノはメロディーだけ単音で演奏することはあまりないので、コード・ネームを表記します。
コード・ネームを表記するとコード弾きしてしまう場合もあるので、メロディー弾きが明確になります。
どちらでも良い場合やリハーサルで決めるといった場合はコード・ネームを表記しておきます。
【例1:メロディーを演奏するピアノ譜】
ピアノはメロディーだけ単音で演奏することがほぼありません。コード・ネームを表記して左手パート(下段)は伴奏を意味するスラッシュを入れます。
もし伴奏に特定のリズムがある場合は、リズム・スラッシュを下段も入れます。
【例2:メロディーを演奏するピアノ譜】
メロディーを両手でユニゾンするという場合、コード・ネームを表記する必要はありません。
ピアノ譜の例
私が実際に作ったビッグ・バンドのピアノ譜です。(あくまでも私がこれが良いかなと思う書き方で作っています。実際はアレンジャーによって特有の書き方があったりするので、その辺りご了承くださいね。)
今回のサンプル譜面は私のオリジナル『Le Ciel Bleu』からです。
- パターンがありときは全て音符で表記します。(コード・ネームはざっくりのせてます。)
- 53〜54小節:右手はコード(お任せ)で、左手はベースとのユニゾンを音符を記譜しています。
- 57小節〜は、右手(上段)左手(下段)が同じ表記になるので、ページ数を減らすために1段譜に変更しています。
まとめ
ピアノ譜は、スラッシュをメインに他のパート(楽器)と合わせたいリズムがあればリズム・スラッシュで記譜します。
メロディーは音符で記譜します。メロディーだけ弾いてもらいたい場合はコード・ネームの表記は必要ありませんが、メロディーにコードをつけてもらいたいときはコード・ネームを表記します。
特定のボイシングがあるときは、トップ・ノートとコード・ネームを表記することがおすすめですが、ピアニストは音符を読むことをあまり苦手としない方が多いので音符で書いても良いかもしれません。
とくに難易度がそれほど高くない譜面を作る場合、ピアノ譜に簡単なコードを音符でも記譜したりもします。(コード・ネームを記載します。)
細かい指定などはリハーサルで打ち合わせができるので、事細かく楽譜に表記しなくても大丈夫です!
もしピアノ・ソロやちょっとしたフレーズをフィル・インやしてほしいところがあればドラム譜やベース譜と同様で、その箇所に(Fill)や(solo)を記載すればOKです。
最後まで読んでくださいありがとうございました✨