こんにちは☀️枡田咲子です🐸
転調と移調、同じような言葉ですが意味は異なります。
『この曲は転調している』と言いますが、『この曲を転調する』とは言いません。
『この曲を移調する』と言いますが、『この曲は移調している』とは言いません。
これらの違いがわかりますか?
転調について
転調は、英語でモデュレーション(英語:modulation)とも言います。
転調とは、キー(調)が変わることを意味します。つまり、ある曲の中で主調( 基本の調)から異る調に変わることです。
転調の方法
歌の楽曲でよくある例で、曲の最後にサビを半音上げて転調させる方法です。
言葉の例なら、『この曲は(CメジャーからD♭メジャーに)転調している』と言えますね。
調号を変えると、楽譜を一目見ただけで転調していることがわかります。また曲を説明するときにも『この曲は転調している』と言えます。
この例は、サビ全体が転調していますが、その他にも転調の方法は色々あります。
1部転調する曲
曲の中で一部転調する方法です。よくあるBメロで平行調に転調する例です。
この場合の言葉の例でも、『この曲は(BメロでA マイナーに)転調している』と言えます。
平行調は調号が同じメジャーとマイナーなので、調号は変える必要はありません。
実は、このように曲の中で一部転調している楽曲を『転調している曲』と言うかは難しいところです。
曲全体から見て『この曲の調(キー)はCメジャーキー』と考えるべきです。
転調している事を伝えた場合は、『Bメロで転調している』と一言付け加えるとよいでしょう。
調の関係について詳しくは→平行調!同主調!近親調一覧!!
1部転調したときの調号の書き方
Bメロで下属調に転調する曲です。
この場合の言葉は、『この曲は(BメロでFメジャー、さいごのサビはD♭メジャーに)転調している』と言えます。
Bメロが1部転調しますが、楽譜では調号を変えません。”Bメロだけ”のように曲の1部が転調するだけで調号を書きかえていると、調号だらけのみにくい楽譜になってしまいます。このような1部転調では、調号は使わず臨時記号で対応します。
そして、最後のサビも転調するといった場合、最後は調号を書き変えます。なぜなら、サビ全体が転調する(全く同じセクションの調が変わる)ことや、元の調に戻らないからです。
移調について
“移調する”という意味でトランスポーズ(英語: transpose)とも言います。
移調はその名の通り調(キー)を移すことです。
基本となるメロディーやフレーズまたはコード進行があり、それらを違う調(キー)に移すことを言います。
つまり、メロディーやフレーズまたはコード進行の聴こえ方は同じということです。
身近な例ですが、カラオケで ”この曲ちょっと高いから(-1)下げて歌う” などという経験はありませんか?
このように、”曲(全体)の調を上げたり下げたりすること(作業のこと)を移調する”というのです。
移調の方法
この例では、まず基本(オリジナル)の調(キー)Cメジャーです。 これを全音上の移調するとき、移調先の調は全音上の主音をもつ D メジャーになります。
メロディーもコードも全て全音上に上げ、同じリズムにすることで、移調が完了します。
楽譜にすると見た目が変わりますが、聞こえ方は同じです。
移調されていない例
これも基本(オリジナル)の調(キー)Cメジャーで全音上の D メジャーに移調されているようにみえますが、メロディーが全く異なっているため移調ではく、調が変わっただけです。
まとめ
転調と移調の違いは、転調は曲の中で調が変わることを言い、移調は調を移す作業のことです。
- どの調に転調しても問題ありません。
- 1部転調は近親調を使うと転調しやすく、もとの調に戻ってきやすくなります。
- 歌の曲であれば、ボーカリストの出る音の高さに合わせて転調を考えます。
- 移調元の調を確認し、どの調に上げるか/下げるかを決めます。(例: Cmajor を全音上げる→Dmajor )
- メロディーは、全て同じだけ上げるか/下げるかします。(例:C D E Fを全音上げる→D E F# G)
- メロディーのリズムは全く同じにします。(例:(♫♩♩♫)同じリズムにする→(♫♩♩♫)
- コード進行も、全て同じだけ上げるか/下げるかします。(例:C Dm Em Fを全音上げる→D Em F#m G)
移調はなんらかの理由で曲の調を変えなけれなならないときに行われます。
例えば、ボーカリストの音域がオリジナルの調では高い/低いなどのときや、移調楽器(サックスなど)の楽譜を作るときなどに移調を行います。
ほかにも、作曲法でメロディーを組み立てるときや、コード進行を応用するときのテクニックとしても使うこともできます。
最後まで読んてくださいありがとうございました✨
アレンジや作曲法はまたご紹介していきたいと考えてます!😀