ダイアトニック・コードで置き換えるリハーモナイゼーション・テクニック(メジャー)
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こんにちは、枡田咲子です。
前回の記事では「ダイアトニック・コードのファンクションで置き換える」方法を紹介しました。
今回はその続きとして、ファンクションにとらわれず、ダイアトニック・コードそのものを使ってリハモしてみましょう!
これは、どんなジャンルでも応用しやすいテクニックです。
難しい理論がなくてもできますが、アボイド・ノートについて知っておくと、より迷わず置き換えができます。
とはいえ、今回の題材はシンプルなコード進行なので、まずは「聴いて違和感がないか?」を判断基準にしても大丈夫です。
それでは、ダイアトニック・コードで置き換える方法をみていきましょう。
ダイアトニック・コードで置き換える
今回の方法は「ダイアトニック・コードを、別のダイアトニック・コードに置き換える」リハモです。
前回のように「同じファンクション同士」に限定せず、異なるファンクションに置き換えることも含みます。
これにより、コード進行や曲の雰囲気をより大きく変えることができます。
ただし、置き換えたコードの構成音と、メロディの音が不協にならないように気をつけましょう。
コードが鳴る1拍目など、拍の頭のメロディにアボイド・ノートがある場合は要注意です!
(アボイド・ノートは避けるべき音で、経過音のフレーズでは使えます。)
【まとめ】ダイアトニック・コード(メジャーキー)とアボイド・ノートについて

【捕捉】*V7sus4】
基本のファンクションはSD(サブドミナント)です。Imaj7に解決するときは、D(ドミナント)の機能になります。
実例:ダイアトニック・コードでのリハモ
それでは例をみていきましょう。
【オリジナル】Cメジャー

これを、ファンクションが異なるダイアトニック・コードに置き換えた例が以下です。(最後のコードだけファンクションの置き換えです。)

【捕捉:*F6 (IV6)】
maj7 コードの場合、メロディがルート音になると不協になります。(経過音であれば不協ではありません。)
このような場合は、6thコードに置き換えるか、トライアドにすると綺麗なハーモニーになります。
【Tip】
今回はこのように、ほぼ異なるファンクションのダイアトニック・コードに置き換えましたが、メロディによっては難しい場合もあります。
また、置き換え過ぎて、コード進行に違和感を感じてしまうこともあるので、すべてを置き換える必要はありません。
1か所だけ置き換えるだけでもサウンドの変化は十分に感じられますので、まずは1つだけ試してみてくださいね。
今回の参考例として使用した曲は、私のオリジナル曲「Ballad for Lala」です。
オリジナルはEメジャー・キーで、シンプルなコード進行の中に、様々な工夫やをしているので、ぜひ音源も聴いてみてください!
まとめ
ダイアトニック・コードにある7つのコードを「どの機能として活用するか」という視点でリハモする方法でした。
同じファンクション内で置き換える … 近いキャラクターでニュアンスを変える
異なるファンクションに置き換える … 進行の方向性や世界観ごと変える
ただし、メロディとの相性(アボイド)だけは常にチェックしましょう!
ダイアトニック・コードは、メロディと不協になる可能性は低く、どのようなジャンルにおいてもアレンジの自由度が一気に広がります。
「曲の意図」と「響きの好み」で選んだり、いつもと同じコード進行になりがちな時に、新しい選択肢を増やすための方法としても活用できます。
アレンジャーの個性が最も出る部分でもあるので、ぜひたくさん試して、あなた自身のコード進行の“語彙”を増やしてみてください!
次回は、ダイアトニックを使ったアプローチ・テクニックについて解説します。
最後まで読んでくださりありがとうございます!


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