セカンダリー・ドミナントを使ったリハモ

セカンダリー・ドミナントを使ったリハモ

こんにちは、枡田咲子です。

前回は、ダイアトニック・コードの V7 を使ったリハーモナイゼーションをご紹介しました。

今回はその続きとして、セカンダリー・ドミナントを使ったリハーモナイゼーションの基本と、さらにそれを発展・応用する方法を紹介していきます。

セカンダリー・ドミナント7は、コード進行の中でよく使われ、強い進行感(解決)を生み出すコードです。ジャズやポップスなど幅広く使われています。サウンドに色彩やドラマ性を加えることができるのが大きな魅力です。

それでは、実際にどのように使っていけるのか見ていきましょう!

セカンダリー・ドミナントを使ったリハモ

セカンダリー・ドミナントは、ダイアトニック・コードに向かってドミナント・レゾリューション(解決)する役割のコード です。

まずは、ターゲット・コード(=解決先のダイアトニック・コード)を設定し、そこへ向かう ドミナント7th でアプローチすしてリハモします。

【参考例:オリジナル】

【例:セカンダリー・ドミナントを使ったリハモ】

ダイアトニック Fmaj7 (IVmaj7) をターゲットにして、ドミナント・レゾリューションでアプローチします。

このアプローチ・コード C7 (V7/IV)が、セカンダリー・ドミナントです。

このように、トニック(Imaj7)以外のダイアトニック・コードにも

  • 「V7 → 〇」形式の解決

を作ることで、コード進行に 期待感・方向性・カラフルな響き を加えることができます

【リハモの鉄則!】

リハモ後のコードとメロディが不協になっていないか必ず確認しましょう!

セカンダリー・ドミナントはダイアトニック外の音を含むため、メロディとの相性チェックはとても重要です。

セカンダリー・ドミナントを使ったリハモ:応用

ここでは、基本形より一歩進んだ “二段階リハモ” を使った応用テクニックを紹介します。

① まず、オリジナルのダイアトニック・コードをリハモします。

これにより、新しいターゲット・コード(=解決先)が生まれます。

② そして、リハモしたダイアトニックをターゲットにして、ドミナント7th(セカンダリー・ドミナント)でアプローチします。

ダイアトニック Dm7 (IIm7) をターゲットにしてアプローチした A7 (V7/II)と、ダイアトニック Am7 (VIm7) をターゲットにしてアプローチした E7 (V7/VI)と、セカンダリー・ドミナントです。

* A7はのところには、メロディにテンション#9th(C) があります。A7(#9)は使えるコードですが、ここでの流れが好みかどうかはアレンジャー次第です。(参考音源では、テンション♭9thを入れてジャズ・ハーモニーでアレンジしました。

このように、オリジナルをリハモすることで、アプローチするセカンダリー・ドミナントが変わり、様々なコード進行へと発展することができます。

【Tip】

  1. まずダイアトニック・コードをリハモする
     置き換えたコードが“新しいターゲット”になる

  2. そのターゲットに向かってドミナント・レゾリューションを挿入する
    = セカンダリー・ドミナントでアプローチする

この2ステップが、応用的なリハモの強力な武器になります!

参考曲

今回の例の参考曲も、私のオリジナル曲「Wish」です。

コード進行の工夫やリハーモナイズの発想が詰まっているので、ぜひ音源も聴いてみてください。

まとめ

セカンダリー・ドミナントを使ったリハーモナイゼーションを、基本から応用まで紹介しました。

  • 基本:ターゲット・コード(解決先)を決めて、V7/◯ でアプローチする
    → ダイアトニックの外側の音を自然に使え、進行に方向性・期待感が生まれる。
  •  応用:ダイアトニックをまずリハモ → そのコードへ向かってセカンダリー・ドミナントでアプローチ
    → ターゲットが変わるため、使える V7/◯ も変化し、コード進行を大きく広げる“二段階リハモ”が可能に。

セカンダリー・ドミナントは、ジャズはもちろん、J-Pop や劇伴でも非常に使われる“万能リハモ”です。ぜひ、いろいろな場面で試してみてください!

次回は、II-V進行を使ったリハーモナイゼーション・テクニックをご紹介します!

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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