【ピアノ】鍵盤が戻る速さの違い知ってますか?

【ピアノ】鍵盤が戻る速さの違い知ってますか?

こんにちは。枡田咲子です。

  • グランドピアノ
  • アップライトピアノ
  • 電子ピアノ

実は、この3つでは鍵盤が戻る速さ(リピート性能)が違うんです。

ピアノを弾いていて、「グランドだと連打がしやすいけど、アップライトだとちょっと重い気がする…」そんなふうに感じたことはありませんか?

その理由こそが、鍵盤の戻る仕組みの違いにあります。

今回は、それぞれの速度と特徴をわかりやすくまとめてみます。

アコースティック・ピアノ

グランドピアノ

鍵盤が戻る速度は、最速です。

「ダブルエスケープメント機構」により、鍵盤が途中まで戻れば次の音が鳴るしくみになっています。

そのため、トリルや高速連打に強く、12〜15回/秒程度も可能です。

クラシックのエチュード(練習曲)や超絶技巧を要する楽曲、さらに速弾きのテクニックでの即興演奏など、速さと表現力が求められる場面ではグランドピアノが最適といえます。

大きさによる違い
  • 小型グランド:鍵盤が軽快でリピートしやすい。
  • 大型グランド:戻りはやや重いが、響きや表現力が豊か。

【参考例】178cmのグランドピアノは、小型と大型の中間サイズで、家庭でも使いやすく、演奏性能も高いバランス型のサイズです。

アップライトピアノ

鍵盤が戻る速度は、中速です。

アップライトピアノでは、鍵盤をほぼ戻し切らないと次の音が鳴らないため、連打はやや苦手です。

およそ6〜8回/秒が限界の目安です。

それでも、ジャンルを問わず多くの曲では十分に表現できるため、家庭用や練習用としてはアップライトピアノで十分といえます。

連打数:回/秒のイメージ

例えばメトロノームを ♩=60 に設定すると、1拍が 1秒 に相当します。

  • このとき、16分音符4つを弾くと 4回/秒となります。

次に、メトロノームを ♩=120 に設定すると、1拍が 0.5秒 になります。

  • この場合、16分音符4つを弾くと 8回/秒となります。

速さを体感!参考曲

参考曲:忍(Hitohi - Five Piano Peaces: Shinobi)

2分の2拍子、2分音符= 114、カットタイムなので、1拍が2分音符になります。

つまり、8分音符の連打は1秒あたり約7〜8回

グランドピアノならこの速さでも自然に弾けますが、アップライトや私のMIDI鍵盤(Kontrol S88)では、少しタッチに気を使う必要があります。

電子ピアノ(88鍵ピアノタッチ)

ここでは、88鍵のピアノタッチ電子ピアノを想定しています。機種によって差が大きいため注意が必要です。

  • 高級機種:グランドピアノに近い応答性を再現しており、演奏感も優れています。
  • 高速連打:センサー式のため、理論上は10〜15回/秒程度まで可能。(機種による)
  • 安価なモデル:アップライトピアノ以下に感じられることもあります。

機種によって差はありますが、家庭用や練習用としては電子ピアノで十分です。さらに、騒音を気にせずいつでも演奏できる点も大きなメリットです。

  •  
MIDIキーボード

私が現在使っている MIDIキーボード(Kontrol S88) は、ピアノタッチ88鍵仕様ですが、鍵盤が戻る速度はグランドピアノと比べて遅いと感じます。

  • 理論上はセンサー式なので高速連打も可能ですが、実際のタッチ感やアクションの慣性はグランドピアノには及びません。
  • そのため、早いフレーズや連打が多い曲では、少し物足りなさを感じることがあります。
  • 一方で、作曲やDAWでの演奏、家庭での練習用途には十分使える鍵盤です。

まとめ

鍵盤の戻る速さ(リピート性能)は、グランドピアノ・アップライトピアノ・電子ピアノで大きく異なります。

この違いは、連打だけでなく、普通の打鍵や音の表現力にも影響します。

鍵盤が速く戻るほど、音のつながりやニュアンスを自然に表現でき、演奏の自由度が高くなります。

  • グランドピアノ:最速で、トリルや高速連打も自然にこなせる。
  • アップライトピアノ:鍵盤を戻さないと次の音が鳴らないため、連打はやや制限されるが、多くの曲では十分。
  • 電子ピアノ(ピアノタッチ88鍵):機種によって差が大きい。高級機種はグランドに近い演奏感、安価なモデルはアップライト以下に感じることもある。

今回の例として紹介した、2分の2拍子(2分音符=114 )の曲では、16分音符換算で1秒あたり約7〜8回の打鍵が必要です。グランドピアノなら自然に弾けますが、アップライトやMIDI鍵盤では少しタッチに注意が必要です。

ピアノ演奏や練習、作曲をする際には、自分の演奏スタイルや用途に合った鍵盤を選ぶことが大切です。

最後まで読んでくださりありがとうございました!

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