ドリアン・モードについて

こんにちは、枡田咲子です。
今回は、マイナー系のドリアン・モードについて解説します。
- 基本:ドリアン・モードについて
- モーダル・ハーモニー:ドリアン・モードとコード進行例
この2つについて見ていきましょう。
ドリアン・スケールについてはこちらの記事をご覧ください。
モード(モーダル・ハーモニー)についての基本的な考え方は、こちらの記事をご参考ください。
※この記事では、ポピュラー音楽やジャズ理論に基づいた解釈となっており、実際に作編曲に活かすことを目的として解説しています。
基本:ドリアン・モードについて
まず、モーダル・ハーモニーにおいて重要なのが、
- トニック(主音)
- 特徴音:ドリアンの特徴音は VI (ナチュラル6th)
【例:Cドリアン】

- トニック:C
- 特徴音: A
Cナチュラル・マイナー・スケールと比べると、第6音が半音上がったスケールが、ドリアン・スケールです。
【Tip】Cメジャー・スケールと比べると、第3音と第7音が半音下がったスケールが、ドリアン・スケールです。
モーダル・ハーモニー:ドリアン・モードとコード進行例
モーダル・ハーモニーでは、トニックを主軸に、特徴音を活かしてハーモニーを作ってきます。
基本のハーモニーの作り方として、まずはドリアン・スケールから構成されるコードを見てみましょう。(3度で積み重ねるシンプルなコード)
Cドリアン・スケールから構成されるコード
【3和音】

【4和音】

- T (トニック・ドリアン):Im, Im7
Im、Im7、どちらも使いやすいトニック・ファンクションのコードです。場合によって、Im7にテンション13thを加えることで、ドリアンの響きを出すこともできます。
- C(ケーデンス・コード):IIm, IIm7, IV
特徴音(VI)が入ってるコードは、ケーデンス・コードです。ケーデンス(終止)のための機能を持っていると考えます。(ただし、ディミニッシュ・トライアドとm7(♭5)コードを除く)
IIm, IIm7: トニックへ順次進行するコードのため、強いケーデンス(終止)になります。(モーダル・ハーモニーでは、順次進行することで強いケーデンスになります。)
IV:第3音にドリアン・モードの特徴音(VI)を持つケーデンス・コードです。
- C/C(コンディショナル・ケーデンス・コード):IV7, ♭VIImaj7
コンディショナル・ケーデンス・コードは、条件付きのケーデンス・コードです。
IV7:トニックへ進行するのが定番です。ドミナント7thコードのため、ドミナント・レゾリューション(♭VII, ♭VIImaj7 に進行)するとメジャー・キーの響きになるため、進行先には気をつけましょう。
【例: Cドリアン】F7 (IV7) がB♭(♭VII)または B♭maj7(♭VIImaj7)に進行した場合、ドミナント・レゾリューションとなり、強い終止感と共に B♭メジャー・キーのような響きを強く感じます。
♭VIImaj7: メジャー・キーと平行調のため、コードを置く場所(強拍など)によってはドリアンの響きが薄れることがあります。
【例: Cドリアン】B♭maj7(♭VIImaj7)が解決先になったり、強拍によく使用したりすると、B♭メジャー・キーの響きを強く感じてしまうことがあります。
♭VIIは、ドリアン・モードの特徴音が含まれてないため、ケーデンス・コードに含まれていません。
しかし、ルートがトニックへ順次進行するため、ケーデンス・コードの要素が含まれたコードです。つまり、これも条件付きでケーデンスとして使うことができます。
A(アボイド・コード):VIdim, VIm7 (♭5)
ディミニッシュ・トライアドとm7(♭5) は、ルートとのトライトーンが強力で、メジャー・キー(アイオニアン)を強く引き寄せる響きを持つため、アボイド・コードです。
※特徴音が入っていても、ディミニッシュ・トライアドや m7(♭5)コードであれば、アボイド・コードになります。
コード進行例
ドリアン・モードのコード進行を紹介します。
【コード進行例1】

何度かリピートすることで、ドリアンの響きが強まります。
譜例ではリピート記号を使って表記していますが、実際の曲やセクションを締めくくる際は、必ずトニックに戻って終わるようにしましょう。
【コード進行例2】

これも何度かリピートすることで、ドリアンの響きが強まります。
こちらも同様、譜例ではリピート記号を使って表記していますが、実際の曲やセクションを締めくくる際は、必ずトニックに戻って終わるようにしましょう。
まとめ
ドリアン・モードは、
- 特徴音:VI (ナチュラル6th)
- トニック:Im, Im7
- ケーデンス・コード:IIm, IIm7, IV
- コンディショナル・ケーデンス・コード:IV7, ♭VIImaj7, (♭VII)
- アボイド・コード:VIdim, VIm7 (♭5)
IV は、メジャー・トライアド(安定感のあるコード)のため、ケーデンス・コード として扱われますが、IV7は、ドミナント7thコード(トライトーンを持つコード)のため条件付きのケーデンス・コードになります。
また♭VII (トライアド)は、ドリアンの特徴音を含みませんが、トニックに順次進行するコードなのでケーデンス・コード的な役割を持つことがあります。
コード進行例は、これが全てではなく、これまで同様シンプルで使いやすいものを取り上げました。
モーダル・ハーモニーでのコード進行の基本は『順次進行』となり、ここでは基本のコード(3度積み)を中心に解説しています。
ドリアン・モードは、マイナー系ではありますが、暗さの中に明るさを持ち合わせた浮遊感のような響きが特徴です。また、音がぶつかりにくい(不協になりにくい)ところも、使いやすさのひとつかなと思います。
次回は、マイナー系『エオリアン・モード』について解説します。
最後まで読んでくださりありがとうございました。



