こんにちは🍀枡田咲子です😃
Finaleで作成した楽譜をDoricoで開いたら、レイアウトが崩れてしまって困ってはいませんか?
そんなトラブルを避けるためには、Doricoの環境設定でMusicXML Importの設定を見直すことが重要です。
今回は、MusicXML Import 設定の各項目についての解説と、ビッグ・バンド譜の設定例を紹介をします。
Finale のファイルを Doricoで開くためには MusicXML ファイルを作成しなければなりません。作成方法は以下の記事をご覧ください。
もくじ
各項目について
まず、メニューのDorico→環境設定を開き、『MusicXML Import』で設定します。
どの項目にチェックを入れるか、順番にみていきましょう。
各項目の内容を見て、必要であればチェックを、必要でなければチェックを外した方を選んでください。
注意:デフォルトで推奨されているものもありますが、どの項目にチェックを入れるか入れないかは、 Finaleでどのような楽譜を作成したか(浄書したか)に関わります。
音符と和音の設定
【音符のデュレーション】
- □ Doricoの自動調整に任せる(推奨)
- ☑️ Finaleで音符の長さを細かく調整している場合
★複雑なリズムで不均等な長さの音符を意図的に使用しているときはチェックを入れます。
【符尾の方向】
- □ Doricoが自動で符尾の方向を決定
- ☑️ Finaleで設定した符尾の方向が引き継がれる
【タイと位置の外観】
- □ Doricoが自動でタイの位置や形状を調整
- ☑️ Finaleで設定したタイの見た目がそのまま反映されます
【連桁グループ】
- □ Doricoが自動で標準的な連桁グループを作ります
- ☑️ Finaleで設定した連桁グループがそのまま反映されます
8分音符や16分音符をまとめてる線です。
【臨時記号の表示/非表示】
- □ Doricoの自動調整に任せる(推奨)
- ☑️ Finaleで設定した臨時記号がそのまま反映されます
★Finaleで臨時記号を細かく調整している場合は、チェックを入れる方がよいでしょう。
【アーティキュレーションの位置】
- □ Doricoの自動調整に任せる(推奨)
- ☑️ Finaleでアーティキュレーションの位置を手動で調整している場合
【連符の位置と角括弧の表示/非表示】
- □ Doricoが自動で連符の表記を調整します
- ☑️ Finaleで設定した連符の位置と角括弧がそのまま反映されます
【詳細設定:連符の入れ子の順番を強制】
- □ Finaleで連符を特に複雑に調整していない場合(またはDoricoの自動処理を任せる場合)
- ☑️ Finaleで複雑な入れ子の連符を作成し、その順番や構造をそのまま保持したい場合
休符の設定
【休符のデュレーション】
- □ Doricoの自動調整に任せる(推奨)
- ☑️ Finaleで休符の長さを細かく調整している場合
★複雑なリズムで不均等な長さの休符を意図的に使用しているときはチェックを入れます。
【休符の位置】
- □ Doricoの自動調整に任せる(推奨)
- ☑️ Finaleで休符の位置を手動調整している場合
【休符の表示/非表示】
- □ Doricoの自動調整に任せる(推奨)
- ☑️ Finaleで特定の休符を非表示にしている場合
その他の記譜記号
【強弱記号の位置】
- □ Doricoの自動調整に任せる(推奨)
- ☑️ Finaleで強弱記号の位置を手動で調整している場合
【グリッサンドラインのスタイルとテキスト】
- □ Doricoの自動調整に任せる(推奨)
- ☑️ Finaleでグリッサンドラインのスタイルやテキストをカスタマイズしている場合
【スラーの方向】
- □ Doricoの自動調整に任せる(推奨)
- ☑️ Finaleでスラーの方向を手動で調整している場合
【テキストアイテム】
- □ Doricoで再配置や設定を行いたい場合
- ☑️ 推奨(Finaleでのテキスト配置をそのまま引き継ぐ方が効率的です。)
【明示的なレセヴィブレタイのみ】
- □ Doricoの自動調整に任せる(推奨)
- ☑️ Finaleで明示的に指定された休符のみを反映させたい場合
【数字付きの低音の外観】
- □ Doricoの自動調整に任せる(推奨)
- ☑️ Finaleで数字付きの低音の外観をカスタマイズしている場合
【othre-technical 技法を読み込む】
- □ Finaleで使用している技法が、Doricoの機能で再現可能な場合や、Doricoで改めて技法を整理・追加する場合
- ☑️ 推奨(Finaleで記譜した特殊な技法をそのまま反映させたい場合)
★技法の情報は有効にしておく方が安全です。必要に応じて、インポート後に不要なものを削除・調整できます。【全ての譜表にまたがる不明瞭なアルペジオ線】
- □ Doricoの自動処理でアルペジオを再配置させたい場合
- ☑️ 推奨(Finaleででのアルペジオ線をそのまま保持)
【システモおよびフレーム改行をインポート】
- □ Doricoの自動調整に任せる(推奨)
- ☑️ Finaleでシステムやフレーム改行(ページレイアウト)を細かく設定している場合
★Finale でのレイアウトが完成している場合は、チェックを入れてFinale でのレイアウトを反映させる方がよいでしょう。【詳細設定】
音符の譜表とタブ符がどちらも個別のパートでエンコードされている場合:
- ☑️ シングルプレイヤーに結合(推奨)
- □ 弦とチューニングをコピー
- □ 個別に読み込み
★「弦とチューニングをコピー」は自動的に反映され、「個別に読み込み」はと特殊なケースなので、通常デフォルトのままで問題ありません。
設定例:ビッグ・バンド譜
浄書がほぼ完成しているビッグ・バンド譜を開くための設定例です。
音符と和音の設定例
【ポイント】
Finaleで浄書したものを崩したくないので、ほぼチェックを入れてます。
休符の設定例
【ポイント】
Finaleで浄書したものを崩したくないので、全てチェックを入れます。とくにリズム・スラッシュ(符頭付きスラッシュ)を使ったリズム譜を作成している場合は、「休符の表示/非表示」にはチェックを入れることをおすすめします。
その他の記譜記号の設定例
【ポイント】
Finaleで浄書したものを崩したくない項目にチェックを入れてます。詳細設定についてはデフォルトの「シングルプレイヤーに結合」にチェックを入れてます。
まとめ
たくさんの設定項目がありますが、基本的な考え方はシンプルです。
- Finaleで細かく調整した内容をそのまま反映させたい場合:該当項目にチェックを入れる
- Doricoの自動処理や再調整を活用したい場合:チェックを外す
特にレイアウトに関しては、Doricoの自動調整機能が非常に優れているため、ビッグ・バンド譜のようにFinaleで手動調整を行っていない場合は、チェックを入れなくてもよいかもしれません。しかし、どのような楽譜をFinaleで作成しているかによりますので、最終的には、ファイルを実際にDoricoで開いてみて、設定が適切かどうかを確認しながら調整することをおすすめします。
最後まで読んでくださりありがとうございました✨