
こんにちは、枡田咲子です。
前回に引き続き、「音楽を言葉として考えてみる」の続編で、今回はスバリ音楽用語についてです。
言語の世界では、新語や若者言葉など、日々さまざまな「新しい言葉」が生まれています。
実は、音楽の世界でも同じように、「言葉の変化」は少しずつ起こっているようです。普段あまり意識していませんが、昔と今で言い方や表記が変わっているものあるんです。
ただ、言語のように「辞書」や「ニュース」で変化を知ることが少ないのが音楽用語の世界。
のせいか、ある日ふとしたときに「えっ、そんなふうに言うの!?」と驚かされることがあります。
今回は、私が最近びっくりした「音楽用語の変化」を、2つほどご紹介してみようと思います。
5線の読み方
5線にもそれぞれ名称があるんですが、この読み方知ってますか?
私はその昔、「上第1線(かみだいいっせん)」「下第1線(しもだいいっせん)」と習いました。
ところが数年前、ある資料を作るために、色々と調べていたとき目にしたのが「うえ・した」と書かれた記事でした。
「えっ?」と驚き、色々検索してみましたが、読み方や振り仮名って案外どこにも書かれていないんですね。。。
本日あらためて調べてみたところ、「かみだいいっせん」「しもだいいっせん」と書かれている資料も確かに存在しました。
実際はよく使われる用語でもないし、個人的には「どっちでもいいかな」と思う一方で、教える立場としてはやっぱり少し悩ましいところです。
ちなみに当時はAIに聞くことができなかったので、今回はAIにも聞いてみました!
「うえだいいちせん」「しただいいちせん」とのご解答でした。(時が経てば変わるかもしれません。)
モードの略記について
音楽理論に親しんでいる方はには、ちょっと気になる内容で、モードの略記についてです。
これは、前回ご紹介した楽譜作成ソフト Dorico の新機能を使っていて、「あれっ?」と少し違和感を覚えたことがきっかけでした。
このモードの略記、あれ?と思ったのは私だけでしょうか???
もちろん、間違いではありません!しかし、私がこれまで当たり前のように使ってきた略記と違うものがあったので、ちょっとびっくりしたんです。
私が慣れ親しんできたモードの略記は、たとえばこんな感じでした。
Ionian = Ion
Dorian = Dori
Phrygian = Phry
Lydian = Lyd
Mixolydian = Mixo
Aeolian = Aeo
Locrian = Loc
これは私がバークリー音楽大学で学んでいた頃に、散々板書を取っていたものなので、記憶違いではないはず…!
もちろん「これが正解」というわけでもなく、コードネームと同様、略記法にも流派や流行、文化圏の違いがあるものです。
ただ、Dorico のようなソフトで 略記しか表示されない仕様だと、「えっ、これって今はこう書くのが主流なの?」と戸惑ってしまいました。
略記号については、演奏やアレンジの現場で誰が見ても伝われば問題ないのかなと思っています。
これは私の好みですが、楽譜にモード名を記載するとき、できればフルネームで表記したいです。
ところがDorico では現時点で、モード名をフルネームで表示する方法が実装されていないようなんです。
いろいろ調べてみましたが、少なくともコード記号として入力するのは難しそうで、現在も模索中です。
もし解決方法が分かり次第、またこのブログやSNSでお知らせしたいと思います。
まとめ
言葉と同じように、音楽用語も時代とともに少しずつ変わったり、新しい用語が生まれたりするものかもしれません。
「いつからそうなったの?」と思うような発見は、戸惑いつつも面白いなと思えます。
とはいえ、教える立場としては悩ましいときもあります。
だからこそ、こうした小さな変化に気づいたときは、できるだけ紹介するようにしています。
それもまた、音楽を学ぶ楽しさの一つなのかもしれません。
今回の内容が、何かお役に立てればうれしいです。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました!