こんにちは🍀枡田咲子です😃
ビッグ・バンドのスコアやパート譜を作るために欠かせない移調楽器たち。
そもそも移調楽器って何?
ということで今回は『移調楽器について』と『移調に必要性について』をみていきましょう!
移調楽器とは
楽譜に記譜された音を演奏すると、コンサート(実音)と違う音が出る楽器のことです。
簡単に言うなら、コンポーザーやアレジャーが楽譜を作るときに移調する必要がある楽器と考えてもよいと思います。
ビッグ・バンドでよく使われる移調楽器は、
- サックス(ソプラノ、アルト、テナー、バリトン全て)
- トランペット、フリューゲルホルン
- クラリネット、バスクラリネット
です。ちなみに、フルートやトロンボーンは楽譜を作るとき移調する必要はありません。
楽譜を作るコンポーザーやアレンジャーは、どういう音が鳴るのかを想像して曲を作ったりアレンジしますよね。このときに考えてる音は、常にコンサート(in C)です。(ピアノで音を鳴らすとイメージすると簡単です。)
『コンサート(in C)』というのは『実音』ことで、『実音』とはその場で実際に鳴っている音のことです。絶対音感の人が音を聴いて『その音は〇〇』と言っている音が実音です。とイメージするとわかりやすいかもです。
移調の必要性について
よく『なんで移調しないといけないの?』とか『ふつうに書いてくれればいいのに!』と言われますが、、、
楽譜は各楽器の演奏者にとって読みやすいように出来ているます。
例えば、中音域の音をよく使うテナー・サックスを例にみてみましょう。
テナー・サックスはコンサート(実音)でよく使う音域が以下です。
楽譜は1段で記譜します。もし実音で書かれた楽譜のままだと、ト音記号(高音部譜表)だけでも、ヘ音記号(低音部譜表)だけでも加線をたくさん使うことになってしまい非常に読みにくい楽譜になってしまいます。
上記のテナー・サックスの音域内(実音)で書かれたフレーズを見てみましょう。
【例1】ト音記号(高音部譜表)のメロディー ・・・下に加線が増え読みづらい楽譜です。
【例2】(例1)のメロディーをヘ音記号(低音部譜表)にすると ・・・上に加線が増え読みづらい楽譜です。
【例3】(例1)のメロディーを読みやすくト音記号(高音部譜表)にヘ音記号(低音部譜表)にすると
これで良いのでは!?と思うかもしれませんが、ジャズのビッグ・バンド譜で1段で記譜する楽器で使う音部記号は1つです。
この【例3】のような書き方はピアノ譜やコンサート・スコアでは読みやすくするために使いますが、管楽器の記譜では使いません。
アレンジャーやコンポーザー、またピアニストからするとト音とヘ音は読めて当然と思いがちですが、各楽器の楽譜はシンプルで効率よくできています。
【例4:結果】テナー・サックスに(例1)の音をそのまま演奏してもらいたい場合は以下のように長9度上に移調します。
テナー・サックスの楽譜ではト音記号(高音部譜表)を使います。5線内にフレーズが収まります。
移調の方法によって、楽譜上ではコンサート(実音)とキー(調)が異なって見えますが問題はありません。(例4)のDメジャーで書かれた楽譜をテナー・サックスが演奏すると、実際に鳴る音は(例1〜3)の音が鳴っています。
このように移調しなければプレイヤーは読みづらい楽譜を読み続けるとことになります。普段読む楽譜として効率がよくありませんね。
実際は5線内に収まり良く出来ているというだけでなく、その楽器の基本となる音が何かでB♭管とかE♭管とかといい、その〇〇管に応じて移調します。
楽器の構造や種類によって基本となる音が違います。
各楽器の移調の方法など詳しくは、これから各楽器ごとにアップしていきますので少々お待ちください🙇♀️
まとめ
移調楽器は、楽譜の記譜音を演奏すると、コンサート(実音)と違う音が出ます。
つまり色々な楽器で合奏するときには、各楽器がコンサート(実音)でどの音が鳴るのかを把握しておく必要があります。
そして、その楽譜はコンサート(実音)から各楽器に合ったものに移調しなければなりません。
今回は中音域で移調がわかりやすいテナー・サックスを例にあげてみました。
コンサートで慣れていると『やっぱり移調楽器の意味がわからない』となってしまったりしますが、もし機会があれば実際に楽器を吹いてみたり、プレイヤーの方に吹いてもらったりするのが理解の近道かなって思います。
はじめは割り切って、アレンジの際は『移調しておく』だけでよいかもしれません。
いつもコンサート(実音)で考えている側からすると『移調楽器ってめんどくさい』ってなりますが、管楽器プレイヤーなどからすれはそれが普通なんですよね。。。
最後まで読んでくださりありがとうございました✨